柿舞わす

このブログは、ひらう子のブログです。

日本で一泊200万円の伝統木造建築ホテルを作るロマン

さて軽く夢物語でも語ってみます。あまり深い考証のもとでの話でもありませんが、こんな事が出来たら面白いだろうなあといった感じで…。


近年、日本の観光産業が脚光を浴びています。一般の家庭に旅行者を有料でホームステイ出来るようにする『民泊制度』なるものが話題になるのも、その一例と言えます。日本は自動車産業や造船産業など、輸出産業で発展した国ですので、海外相手の骨太な商売が出来れば、落ち込んだ日本経済にとっては大きな希望といえるでしょう。

しかし、現状日本の観光産業の課題として、日本には超富裕層をターゲットとした、いわゆる五つ星ホテルが少ないということがよく挙げられます。超富裕層が日本に来ても、彼らが望むような宿泊施設が無いのです。現状政府が主導しているような、中国や東南アジアの旅行者を対象とした貧困層中流層相手の観光産業計画は、旅行者のマナーが悪くて地元民との衝突が起こるなど問題が発生しやすく、どうにも「日本向き」とは言えません。私は、日本の観光産業はもっと、超富裕層、つまりは「アラブの石油王」のような人たちを相手にすべきと思っています。ヨーロッパ等にあるような、一泊で100万円単位のお金が動くような宿泊施設が日本にもっと必要です。


さて、そういった超高級ホテルを作るのであれば、私は、伝統的木造建築の温泉旅館を作ってみてはどうかと考えています。平たく言えば、「現代人の生活感覚でも居心地がよい、コンシェルジュ付きの桂離宮、もしくは聚楽第」です。作るとしたら、恐らく和歌山県辺りでしょうか。


私自身は海外の超富裕層ではありませんし、どちらかというと、私の経済状態は、中流階級よりも下というレベルです。ですので、肌感覚で超富裕層の望む旅行形態は理解していません。ですが、ネットなどで海外の超高級ホテルについて見てみた限りでは、そういったホテルというのは、宿泊施設というよりは、「宮殿」です。超富裕層にとって、そういったホテルはどうやら、単に泊まらせて貰う場所ではないのです。自分の為の宮殿が海外にあるのが理想ではあるけれど、建てるには時間とコストが掛かりすぎるので、ホテルに泊まる。なので、自分の宮殿のように寛げるのが理想なのです。

そういった感覚の超富裕層は、いわば「宿泊客」という扱いをされる事を望んでいません。言ってしまえば、そのホテルで正規料金を払っている間は、「他所からいらした王様」として振舞いたいのです。

日本の中産階級は、国内旅行に行ったら、伝統的なお寺や神社、貴族階級の利用していた建築物を見物します。しかし、「王様」は、見物で満足するわけがありません。建築物の、期間限定の主として、その場に滞在し、寛ぎたがることでしょう。

勿論、現実に文化財に宿泊するのは、文化財保存の観点からすると難しいですし、恐らく現代人にとって、文化遺産というのは宿泊してもあまり居心地が良くありません。

であれば、作るべきです。


ちょうど、今は様々な伝統的な職人が、仕事が足りず存亡の危機にあります。そういった人達に依頼し、漆が必要な所には国産漆、金箔が必要な所には金箔です。100年経ったら文化財として扱われてもおかしくないレベルの建造物を新築します。建て替えで常に築20年以内を保っている伊勢神宮に近い感覚です。恐らく、そういった新築伝統建築物を作ることは、若い職人の技術蓄積にも繋がりますので、今後の文化財修復にとってもプラスとなる事でしょう。


旅館内にはコンセルジュが常駐します。旅館内には自販機はありません。部屋で飲み物が必要になれば、常駐コンセルジュを呼べば、迅速に飲み物を運んできます。近くに観光に行きたければ、伝統や文化の知識の豊富なコンセルジュが付き添い、観光先で「お客様」が知りたいことがあれば、コンセルジュの知識内のことであればコンセルジュが回答し、知識の範囲外のことであれば、旅館と契約している学者等に問い合わせて解説します。

コンセルジュは日本人が良いでしょうが、場合によってはマネージャーは海外の人材の方が良いかもしれません。ベトナムハノイなどは、フランス領時代にフランス人の避暑地として高級宿泊施設が作られていたということもありますので、ベトナム戦争での傷跡があるとはいえ、その辺りには、富裕層の接待ノウハウのある人材がいるのではないかと思います。あまり確証はありませんので、別にハノイからつれてくるべきという事はありませんが、富裕層を普段相手にしていない日本人だけでやるより、海外の人を呼ぶべきでしょう。


先にも述べましたが、場所は和歌山県が良いと思っています。プライベートジェットで関空などに到着した富裕層を、貸切フェリーで出迎え、旅館まで直行します。京都や有馬のように規制が多いところでは新築の高級建築物を作る場所が取りづらいですし、京都は喧騒が多すぎます。温泉もあり、比較的温暖で、海の幸も山の幸も豊富、海岸があり、那智の滝や熊野など、見所が多い県です。


さて、ここまで話を組み立てたのですが、実のところ私には、建築や運営に幾ら掛かるのか試算の手立てがありません。恐らく、一泊200万円で、一組で4人程度、一週間の滞在と考えると、2,000,000×4×7=56,000,000という事で、一週間で5600万円。宿泊が5組として7割利用と考えると、年間売り上げが100億円強となります。東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドの年間売上が2000億円強に対して有形固定資産が4600億円であることを考えると、ホテルの土地と建築コストは150億円程度掛けられるのでしょうか。初期段階で200億円の資産は集めておくべきなのでしょう。この辺りのコスト感覚は私にはありませんので何ともいえませんが。


肝心の数字の部分がかなりふわふわしているものの、案としては夢があり、我ながら面白いと思っています。私自身でいきなり始められる話ではないのでブログ記事にしてみました。中々ロマンのある話ではないでしょうか?